アヌラーダブラ遺跡:地球の歩き方より
アヌラーダブラ、ここは今からおよそ2500年以上も前にスリランカ最古の都のあった所。その文明を象徴するかのように、町のあちこちに点在するダーガバは、天に壮大な姿でそびえ、数々の彫刻はどれも柔和な表情を浮かべている。仏教はこの地からスリランカ全土へ、そしてミャンマー、タイ、カンボジアへと、世界各地へ広がっていった。しかし、アヌラーダブラに栄えた王朝も、南インドからの侵入者との抗争の繰り返しの末、約1400年間で幕をとじることになる。現在、スリランカでは民族間の問題が絶えない。しかし、抗争の始まりともいえる歴史をもったこの町は、まるでそんなことなどどこかへ置き忘れてしまったかのように、穏やかな表情で旅人を迎えてくれる。
空港近くのゲストハウス(G.H.)を出発してから、クルネガラそしてダンブッラを経由して2日目の宿泊地であるアヌラーダブラに到着しました。移動だけでも5時間程で観光初日からハードなスケジュールになってしまいました。チカちゃんも疲れ気味かな。日本出発前に風邪をひいていたので体調も今一のようです。
夕方、アヌラーダブラの市内にあるゲストハウス(G.H.)に到着。早く休みたい気持ちもありましたが、ドライバーのランカさんが夜のアヌラーダブラはライトアップされていてとても美しいと勧めてくれたので行くことにしました。
夜のスリー・マハ・菩提樹
駐車場からの入口
多くの参拝者が訪れていました。
靴を預けた後お参りします。
皆さん白い服を着て、真剣にお祈りをしています
白い布に願い事をかいてフェンスにくくり付けています。日本の絵馬のようなものですね。
スリー・マハ・菩提樹からルワンウェリ・サーヤ大塔へ通じる石門。
ルワンウェリ・サーヤ大塔への石畳
ライトアップされた純白のルワンウェリ・サーヤ大塔
高さは55mで、元々は100m余りの大きさだったそうです。菩提樹の葉の形をしています。ダーガバ(ダゴバとかストゥーパとも称される仏塔)と言われるもので、仏舎利つまり仏陀の遺骨を納めるための仏塔です。
白い服を来た参拝者で溢れていました。
大塔の周囲は象の彫刻で守られています。
仏塔手前の建物の中に仏陀の座像があり、その前で献花をしてお祈りしています。
こちらは仏塔の周囲にある献花台
夜のアヌラーダブラは観光客も少なく、白い衣服に身を包んだ多くの信者が真剣に祈りを捧げていました。昼間には見られない厳かな雰囲気が漂っていました。
遅くなりましたがゲストハウスへ帰って夕食です。
スリランカ産のライオンビール。右が普通のビール、左がストロングビール(約9度)。
若いお母さんの手作りカレー
3種類のカレーです。家庭の味こそがスリランカカレーの醍醐味です。
ヨーグルト? カードと呼ばれるヨーグルトのようなものです。これもお母さんの手作りで、生乳を一晩寝かせて作るそうです。42年前はバッファローの乳から作っていましたが、そのバッファローが少なくなったため、今は牛の乳が使われているとのことでした。これに、キトルヤシ(孔雀椰子)の花蜜から作ったキトゥルパニをかけて頂きます。キトゥルパニは健康食品として近年日本でも人気が出ているそうですね。
マルチ対応のコンセント。日本のプラグがそのまま挿し込めます。
部屋に備え付けの蚊帳。部屋はエアコン付きですのでドアや窓を閉め切れば室内に蚊は入って来ません。残念ながら?使うことはありませんでした。
朝食
カレー、オムレツ、トースト、デザートはフルーツの盛り合わせ。朝から食べ過ぎてしまいます。
ゲストハウスのご家族。子育てをしながら、大変ですね。でも、張り切ってやっていました。
ジェータワナ・ラーマヤ大塔。アヌラーダブラで最大のダーガバ。高さは74m。3世紀に建てられた時には122mあったそうです。
ここでアヌラーダブラ遺跡の見学チケットを購入します。入場料は一人25米ドルで、アヌラーダブラの殆どの遺跡に入ることが出来ます。それにしても25ドルとは、スリランカの物価から考えると極めて高いですね。この価格は観光客用で、現地の人にはずっと安い値段設定になっています。
仏塔は赤いレンガで積まれています。
ダーガバの周囲は大きな広場になっています。儀式が行われる日には大勢の信者がやってくるのでしょうね。ところで、この広場でうずくまっている人がいます。何をしているのでしょうか。
石畳の間の草を抜いていました。除草剤などは使わないそうです。
石畳に使用している石が黒くえぐれています。これはアーユルヴェーダに使う薬草をすり潰すために使われていた石だそうです。あちこちにありました。
仏塔の上の方に、ロープにぶら下がっている人がいます。この人もレンガの間の草を抜いています。
仏塔の下に建物があります。
その中に仏陀の涅槃像があります。
花や食べ物のお供え物
ツインポンド(クッタム・ボクナ) 遺跡地区の北側に位置しています。
僧侶の沐浴場だった場所です。立派ですね。
大きな一枚の石でL字型に作られています。どのようにして作ったのか、いまだに謎だそうです。
年代を感じます。
帽子と靴を脱いでください、との看板です。仏像でもあるのでしょうか。
サマーディ仏像。
手前は犬の涅槃像? 犬にしては足を揃えているので眠っているようです。
仏陀が悟りを開いている姿ですが、昔は屋根もなく菩提樹に囲まれていたそうです。
アバヤギリ大塔。高さ74m。紀元前1世紀に建てられた大乗仏教の総本山です。しかし、12世紀になるとスリランカは小乗仏教になってしまいました。勉強不足で大乗仏教と小乗仏教の違いはよく分かりませんが、名前のように、乗り物に例えるなら大きな乗り物と小さな乗り物の差です。つまり、大乗仏教は出家して厳しい修行に耐えて悟りを開いた者が多くの人を救うことが出来ることから大きな乗り物に例えられ、小乗仏教は出家して厳しい修行に耐えて悟りを開いた者のみが救われることから小さな乗り物、ということのようです。(間違っていたらごめんなさい)日本は大乗仏教です。一見、大乗仏教のほうがよさげですが、信心深い信者が多いのは明らかに小乗仏教ですね。
スリランカの人々は仏教施設を訪れる際、白い服を着用しています。私も白服を準備して来ました。
でも、ただの白ではありません。色とりどりのボタンを使用しています。これはスリランカで採れる宝石をイメージしたものです。
反対側から見たアバヤギリ大塔
建物の中の涅槃像
両足の指が揃っています。眠っておられます。
レンガ造りも味わいがあります。
ムーンストーンが柵で囲まれています。ムーンストーンは神聖な場所に入る前に身を清めるために履物を脱いで踏むべき場所ですが、ここだけは柵で保護されていました。
一番外側が物欲を表す炎の舌、その内側に象、馬、ライオン、牡牛が描かれています。象は誕生、馬は老い、ライオンは病気、牡牛は死を意味し、輪廻転生を表しています。その内側は花芯で愛を、次は蓮の花をくわえるガチョウでで純潔を、そして内側に蓮の花があり天国を表しています。
階段にも繊細で美しいレリーフがあります。
ラトゥナプラサーダにやって来ました。宮殿入口のガードストーン。スリランカ一美しいと言われています。
階段横のレリーフ。ワニのようです。
ラトゥナプラサーダ。宮殿の跡地です。
元々は5階建ての宮殿だったようです。
売店でキングココナッツを注文。冷たくはありませんが、暑い時にこそ最高の飲み物です。
スリー・マハ・菩提樹。昨夜来ていますので、今日は私一人で写真を撮りながら回ります。
靴を預けた後、寺院内にはいります。昼間の石の上は焼けるように暑いので靴下が不可欠。
入口のガードストーン
愛嬌たっぷりのレリーフ
献花をしています。昼間は信者と観光客で溢れていました。
仏陀は菩提樹の下で悟りを開きましたが、その菩提樹の分け木をインドから運びアヌラーダプラに植樹しました。紀元前3世紀、仏教がスリランカに伝わって間もないころです。本家インドの菩提樹は枯れてしまいましたから、この木が世界最古の神木ですね。
菩提樹の苗木が運ばれてきた当時の様子を描いています。
次は、スリー・マハ・菩提樹と並んで人気のイスルムニヤ精舎です。紀元前3世紀に建てられたスリランカ最初の仏教寺院と言われています。
手前の池が沐浴場
岩肌を利用して造られています。左に象のレリーフがあります。
コインが投げ込まれています。私も投げてみましたが、コインは熱い岩の中に入ることを拒否し水の中へ。
火の神のレリーフ
入口のムーンストーンとガードストーン
ムーンストーン。見事ですが、かなり擦り減っています。
岩の中に造られた御堂
手前が本堂、後方に小さな岩山があります。
(川上さんのプログより借用)本堂内は撮影禁止になっていました。本堂内の涅槃像です。色彩豊かですね。
これから岩山に登ります。岩の間にコウモリが巣くっていました。
巨石がいっぱいあります。
石に穴があります。大きな石に穴をあけ熱湯を入れて割ったそうです。
至る所に巨石があります。
仏足です。コインが投げ込まれています。
岩山の頂上(それほど高くはありません)
頂上からのながめ
宝物殿。内部は撮影禁止になっています。
ここに有名な恋人達がいます。
(トリップアドバイザーから借用) 恋人の像
(マーちゃんの昔話)
むかーしむかーし紀元前2世紀頃、インド洋に浮かぶ小さな島のアヌラーダプラというところにシンハラ王朝がありました。そこには聡明でハンサムなサーリヤという王子がいました。ある日、王子はお忍びで街に出かけます。そこでマーラという可憐な町娘に出会い、二人は恋に落ちてしまうのです。しかし、あまりにも身分が違いすぎるため、王様は大反対。実らぬ恋となるのでしょうか。アレッ! どこかで聞いたような話ですね。ローマの休日、それともSeven nights in Japanでしょうか。きっと、元祖ローマの休日であり、本家Seven nights in Japanに違いありません。二人は、大反対されますが、思いが勝り結ばれるのです。現在、世界中に恋人岬や恋人のレリーフなるものがありますが、このサーリヤ王子と恋人マーラが恋愛成就のご本尊様ではないでしょうか。なにかご利益がありそうですね。
レリーフに触ることは出来ませんので、この二つの小さな石に恋愛成就のご利益のパワーを頂いて来ました。恋が実るかな! もはや私には縁のないことですが、これを見ている方に! 願えば思いは叶います。
ミリサウェティヤ仏塔
スリー・マハー菩提樹やアバヤギリ大塔などと並んで仏陀が訪れた地に建てられた仏塔です。
仏塔の断面。このようにレンガが積まれています。
観光客向けのビュッフェレストランで昼食を頂きます。
3種類のライスの周りに数種類のカレーを取り合わせています。もちろんおかわり自由です。
デザート。上は私の大好きなパパイヤです。
これから今夜の宿泊地であるシギリヤに向かいます。2時間位かな。途中にバッファローがいました。42年前はバッファローしかいなかったような気がしますが、今はめっきり少なくなっています。農用トラクタが普及した結果なのでしょうね。
シギリヤの村の食堂に立ち寄りました。
おやつ代わりにア―ッパなるものを頂きました。クレープのようなもので、米粉を溶かしたものをお椀の形をした鍋に垂らして焼き上げています。
左が素焼き、右が卵入り。他にもいろいろな具材があるようですが、個人的には素焼きの方が好みです。お店で作るものはパリっとしていて、家庭のものはやや柔らかいそうです。
今夜のホテルに向かいます。細い路地を入って行きます。
岩見荘、名前の通りシギリヤロックが見えるゲストハウスです。日本の方が経営されていますが、この時期日本へ帰国中でした。
3階建てで1回と2階が客室。3階がレストランですが、現在建築中でした。ここに2泊します。
岩見荘の人達が出迎えてくれました。皆さんとても親切です。男性の方がレストランを造っている大工のお兄ちゃんで、顔に似合わず?愛嬌たっぷりです。
最初はここが食堂かと思いましたが、ゲーム施設で改装中のようでした。
コインランドリー、日本円が使えます。1回200円。洗濯物が山とありましたので、助かりました。
大工のお兄ちゃんが、ついて来いというので、不思議に思いながら作業中の3階へ行くと、
シギリヤロックが見えました。素晴らしい眺めです。シギリヤロックを見ながらのビールは最高でしょうね。大工のお兄ちゃんはとても人なつっこくて、このお兄ちゃんがいなければ、このような絶景があることを知らないまま終わったかもしれません。
私達が泊まる2階の部分です。
広い部屋に、大きなベッド
冷蔵庫もあります。ビールは入っていませんが、案内してくれたスタッフが「ビールは?」と尋ねてきたので、もちろんお願いしました。近くの店から買って来るようです。価格は忘れましたが400cc1本200Rs(140円)だったと思います。(300Rsだったかも!)
シャワー室がトイレから独立しています。浴槽があり、しかもジャグジーまで付いています。
ウォシュレット付きのトイレ
とにかく、日本人には至れり尽くせりのG.H.です。
ベランダからは、森林に遮られてシギリヤロックは見えません。
レストランが工事中のため、オーナーさんのお宅で夕食を頂きます。詳しいことは分かりませんが、日本の方と共同経営されているようです。
3種類のカレー
パサパサライスではなく米粉で作られたそうめん。ドライバーのランカさんがリクエストしてくれたようです。
チカちゃんもスリランカで初めて手を使って食べています。日本人好みの優しい味です。
夜のゲストハウス
ゲストハウスの隣にもレストランがありました。
明日はボロンナルワ遺跡を見学します。