ボロンナルワ遺跡:地球の歩き方より
ボロンナルワは10~12世紀の間にシンハラ王朝の首都があった所。その全盛期には、タイやビルマから僧が訪れるほどの仏教都市として繁栄を見せたという。その栄華を伝えるアジア有数の大遺跡群が、今は小都市となったこの町を世界に知らしめている。
今日はボロンナルワ遺跡を訪れます。
シギリヤのゲストハウス(G.H)から1時間半弱です。ボロンナルワは1982年に世界文化遺産に登録されました。
さわやかな朝です。ベランダから鳥たちが覗いています。
朝食はスリランカの代表的な食べ物です。G.H.のオーナーさんのお宅で頂きます。
左上がアーッパ、右が蒸しパンのようなものであっさりしています。中段左が豆や野菜を混ぜて揚げたもの、真ん中はカレー入りのもちもちした揚げ物、その右がダール豆の揚げ物、下がロール状のパンケーキ。フルーツはスイカ、パパイヤ、バナナ、パイナップルです。
朝食後、ボロンナルワに向けてG.H.を出発します。
ボロンナルワ博物館に到着。ここで遺跡への入場券を購入。1人25米ドル。
ボロンナルワの繁栄を支え続けてきた巨大な人造湖。博物館の近くにあります。
遺跡の見学は南からスタートし、北上して行きます。
車で南に位置する石立像がある場所まで移動。巨大な岩の上を歩いていると、その先に遺跡がありました。
石立像。1枚の岩に彫られています。
骨董屋さんで見つけた10Rs紙幣。現在使われていませんが、この紙幣に石立像が印刷されていました。
ポトグル・ヴィハーラ。かつての図書館で石立像の近くにあります。
中は円形状になっています。右の方に白くなっている部分がありますが、これは漆喰で、かつては壁全体が漆喰で白く塗られていました。
宮殿跡に車で移動。ボロンナルワ博物館の近くにあります。
当時は7階建てでしたが、現在残っているのは3階部分まで。
厚い壁で出来ています。
下の白い部分は漆喰です。白く、美しい宮殿だったことが想像出来ます。
トイレ跡
宮殿の東側にある閣議場跡です。
数多くの柱が立っていますが、閣議の際に各大臣が座る位置を示しているそうです。
柱にはきめ細かな模様が彫られています。
宮殿の北側にボロンナルワ遺跡群の中でも人気のクワドラングルがあります。クワドラングルには11の建物があり、かつてボロンナルワの中心だった所です。
これはクワドラングルの南入口にあるトゥーパーラーマ、仏堂です。
堂内の仏像、損傷が激しいですね。向かい側の小さな窓から朝日が差し込むと、仏像の顔を照らす仕組みになっているそうです。
ラター・マンダパヤ。8本の石柱はハスが風に揺れている姿を表現しています。
アタターゲ。11世紀に建てられた仏歯寺です。
アヌラーダプラに持ち込まれた仏歯は、その後、王朝が変わる度に都とともに移されることになります。ボロンナルワに都が移された際、60日間でアタターゲを完成させ仏歯を奉納したそうです。
ハタターゲ。仏歯寺跡です。12世紀に隣のアタターゲから仏歯を移動してここに奉納されました。
仏歯寺を護るガードストーン
ハタターゲの壁石に文字が刻まれています。石本で当時の様子が分かる貴重な資料です。
ハタターゲの中にある仏像。目には宝石が使われていましたが、盗まれてしまったようです。
ワタターゲ。クワドラングル内の遺跡で最も人気の高い円形状の仏塔です。
ムーンストーンの手前で靴を脱ぎます。昼前で、石の上は足が焼けるような暑さです。
ムーンストン。輪廻転生の部分は象と馬とライオンで牛が描かれていません。
ガードストーン。悪魔からワタターゲを護っています。
ワタターゲの内部。仏像が破壊されたままです。
仏像の後ろ、つまりワタターゲの中心にダーガバ(パゴダとかストゥーパとも称される仏塔)があります。
ガル・ポタという巨大な石本です。側面にはガチョウや象が彫られています。
長さ9m、幅1.5m、高さ0.5mもあります。これほど大きな石をどこからどのようにして運んできたのでしょう!
クワドラングル見学後、休憩。お店には緑色のミカンが! 酸っぱそうです。試してみることにしました。
酸っぱさを和らげるためなのか、このようにしてミカンと水を混ぜています。水はペットボトルを使っていますが、念のため氷は入れないように頼みました。
昔はミルクティを作る時も紅茶とミルクをこのように混ぜていました。これがとても旨いのです。今回の旅行でもこのミルクティを楽しみにしていたのですが、最近ではこのようなやり方はすっかり影をひそめてしまったようです。残念!
さっぱりしておいしい!
クワドラングルの北に位置するランコトゥ・ヴィハーラに向かいます。
高さ55mのボロンナルワで一番大きいダーガバです。
かつて尖塔部分は金で覆われていたそうです。
更に北に行くとランカティラカという大きな寺院があります。高さが17.5m、幅18m、奥行き52m
仏像に背を向けて写真を撮らないでください、と書かれています。注意しましょう。
中に仏像があります。
頭の取れた巨大な立像です。思わず仏像と記念写真を撮りそうですが、背を向けないようにしましょう。
キリ・ヴィハーラ。ランカティラカの北隣にあります。キリとはミルクの意味で当時の白い姿のままです。
更に北上するとガル・ヴィハーラがあります。大きな1枚の岩に4体の仏陀が彫られています。
左端にある座像
横から見ると、岩に彫り込まれていることが分かりますね。
洞内がフェンスで囲まれています。
その中に、きめ細かく彫られた座像がありました。
座像の右側に立像があります。
立像の高さは7m。
右端が涅槃像
枕は太陽を表すそうです。
全長14m。両足の指が不揃いですので、亡くなられています(入滅)
ガル・ヴィハーラ横にある大きな石。
よく見ると、石が転げ落ちないように? 突っ張りがされています。(もちろん、お遊びです)
蓮の咲いている池もあります。
これからガル・ヴィハーラを後にして北に向かいます。
ロータス・ポンド。名前の通り蓮の形をした僧の沐浴場です。
石を積み重ねて作ったもので、直径8m程です。
ボロンナルワ遺跡の最北に位置するティワンカ・ピリマゲ寺院。ここを訪れる人はまばらです。
外壁が崩れかけていますが、もともとは漆喰で白く塗られていたようです。
寺院への入口。内部は撮影禁止、残念!
奥に仏像が見えています。
スリランカに来る前ですが、”遺跡ときどき猫”さんのブログに「ここには飢えた僧に捧げるものを持たなかった兎が我が身を火の中に投じたという説話も描かれています。兎の善行を記念して帝釈天は月に兎の姿を描きます」という記事が見つかりました。どこかで聞いたような話です。俄然興味が湧いて来ました。また寺院内部は薄暗いため、懐中電灯が役に立ったとも書かれていました。
(マーちゃんの昔話)
むかーしむかーしその昔、あるところに猿と狐と兎がいました。ある日、みすぼらしい老人に姿を変えた天の神様がやって来て、「お腹が空いています。何か食べ物を下さい」と言いました。猿は木の実を、狐は魚を取って来て老人に差し出しました。しかし、兎には何もありません。そこで「私の身を食べて下さい」と言って、火の中に飛び込みました。これを見た老人は神様の姿に戻り、兎を月に葬ってあげたのです。
この物語は12世紀~14世紀頃の逸話集である今昔物語に収められています。これと同じ物語りがスリランカのボロンナルワにもあった訳です。ティワンカ・ピリマゲ寺院は13世紀に建てられていますから、同じ時代に、同じ物語が遠く離れた日本とスリランカで作られていたことになります。なんて不思議な繋がりでしょう!
中に入ると、壁一面にフレスコ画が描かれていました。状態はよくありませんが、それでも見ごたえ十分です。
早速「月とうさぎ」の壁画を探しましたが、薄暗くてよく分かりません。係員に尋ねると即座に「そこっ」と指さしてくれました。それでも暗くて見えません。このために懐中電灯を持って来ています。照らすと、月の中にウサギが描かれていました。「あったー」、、、ではありませんか。
” 遺跡ときどき猫さん”のブログより内部の写真をお借りしました。
( 遺跡ときどき猫さん”のブログより) 頭が失われた仏像
( 遺跡ときどき猫さん”のブログより) 美女のフレスコ画。懐中電灯を当てています。
( 遺跡ときどき猫さん”のブログより) 美女のフレスコ画
こちらの外壁はかなり修復が進んでいます。
こちらはこれから修復されるようです。
これでボロンナルワ遺跡の見学終了です。これからシギリヤに帰ります。
木立の中に鹿がいました。ランカさんによるとスリランカでは鹿は珍しいそうです。
ランチタイム
観光客向けのビュッフェスタイルのレストランです。
カレーの種類も豊富で美味しそう!
食後はチカちゃんのアーユルヴェーダタイムです。この三日間、暑い中を歩き回り、疲れもかなり溜まっています。2時間コースで至福のひと時を過ごしてもらいましょう。
ここは観光客向けのアーユルヴェーダ施設です。
最初に医師の問診を受けて、施術内容と使用するオイルを決めます。その後、
60分 全身のオイルマッサージ
30分 シロダーラ (額の中心にオイルを流して、ストレスや頭痛を解消します。ただし、シロダーラは頭を冷やす作用もあるので注意が必要とのことです)
20分 ハーバルスチーム・トリートメント (薬草を敷き詰めたサウナで体の毒素を出します)
10分 シャワー
ちなみに、2時間コースで料金は12,000Rs(8000円)でした。 なお、本格的なアーユルヴェーダは1週間ほどかけて、食事療法も交えて行うそうです。
極楽、極楽
一方、チカちゃんが至福のひと時を過ごしている間、私は近くの町で両替、その後ビールでも飲みながら過ごすつもりです。
青空市場をやっていました。
生活に必要なものが揃っていて、現地の人にとってはスーパーマーケットのようなものですね。
鰹節のようなものを見つけました。モルジブフィッシュです。カレーにも使われる万能調味料です。鰹節のように硬くはありません。
昼の3時、暑い。町の中をビールを探し求めて歩き回りましたが、ありません。ぶっ倒れそう。諦めかけたころ、街外れで見つけました。
ライオンビールが美味い。500Rs(350円)
夕暮れ時に、シギリヤの岩見荘に着きました。
夕食は昨日立ち寄った村の食堂で頂くことにしました。ゲストハウスのカレーも食べたかったのですが、ランカさんお薦めの地元料理にトライすることにしました。
熱した鉄板の上で、野菜やナンのようなものを両手に持った包丁でカタコト、カタコトと切り刻んで行きます。コットゥ・ロッティです。
まるで音楽を奏でるように軽快なリズムで叩いてます。この音から、この料理をコトコト・ロッティと呼ぶことにしました。
ここで問題が!、この店にはビールがありません。スリランカの人はあまりお酒を飲みませんので、地方では酒類を販売する店が少ないようです。加えて、酒類を扱うと店のランクが上がり、それにつれて税率も上がってしまうためだとか。
近くに酒を売っている店がないか尋ねると、2Km程先にあるとのことです。そこでランカさんに車で連れて行ってもらいました。民家もない暗く寂しい道をしばらく走ると村はずれにありました。車があったからよかったものの、夜道をトゥクトゥクで行くのはどうでしょう? ましてや女性だけで行くなんて、いくらスリランカが安全な国だといっても極めて危険ですね。
鉄格子を挟んで売っていました。ビール3本、アラック小瓶1本をゲット。これで1000Rs(700円)弱でした。
先程の食堂に戻って、料理が出来上がるのを待っています。
コトコト・コッティ2人前。ボリュームたっぷり、ランカさんの分も別にあります。見た目通り、ヘルシーで日本人向きの味でした。また、作っている時のカタコトのリズムが妙に食欲をそそり、聴覚でも楽しめる料理です。もちろん、ビールのつまみにも最高。
ア―ッパも注文
明日の早朝、今回の旅のハイライトであるシギリヤロックへ登ります。