今回の旅のハイライトはなんと言ってもサグラダ・ファミリア教会。1882年に着工されましたが、133年経った今も工事中です。
ツアーで13年前に訪れていますが、あれからどの程度進んでいるのでしょう。2015年9月、楽しみです。
サグラダ・ファミリア教会はサン・パウ病院から南へ約1km、カサ・ミラから北東へ約1.5km、カタルーニャ音楽堂からだと北の方角へ3km程のところにあります。市内から歩いても行ける距離ですが、メトロやバスが便利です。
教会建物には現時点で2か所の出入り口があります。この出入り口をファザード(門)と言います。北東側に生誕のファザード、南西側に受難のファザードがそれです。現在工事中ですが、南東側に栄光のファザードが出来る予定です。ちなみに、北西側には祭壇があるため出入り口となるファザードはありません。
生誕のファザードです。サグラダ・ファミリア教会は2005年に世界遺産に登録されましたが、登録されたのは教会全体ではなく、この生誕のファザードと地下にある礼拝堂だけです。
受難のファザードです。
栄光のファザード側で工事中です。生誕のファザードや受難のファザードと同じようにタワーが設けられる予定で、完成後にはこちらがメインの出入口になるそうです。入ると真正面に祭壇が見えることになります。
祭壇側です。出入口となるファザード(門)はありません。
今回の旅でサグラダ・ファミリアには2度訪れます。
最初は前半に宿泊していたホテルからバスで行くことに。バス停はホテルのすぐ近くにあります。
バスが来るまで8分の表示が出ています。バスは丁度8分でやって来ましたが、1分が60秒とは限りません。残り2分のところで、1分経過するのに150秒ほどかかりました。いい加減なようですが、10分間隔で運行されていますので、それ程気になりません。むしろこちらに向かっていることが分かって安心。よく出来ています。
バルセロナでは街中に路線バスが張り巡らされていてとても便利に出来ています。ただ、旅行者には使いこなすのが難しいので、事前に調べておくべきですね。
ホテルからサグラダ・ファミリアまでは1.2㎞ほどです。歩ける距離ですが、旅は結構疲れますので、出来る限り体力を温存。
バス停を降りて少し戻ると、サグラダ・ファミリアの壮観な姿が目に飛び込んで来ました。
生誕のファザードの正面にやって来ました。
ところで13年前に訪れた時にはどのような姿をしていたのでしょう。
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これは2002年当時の生誕のファザードですが、ほぼ完成しているように見受けられます。ただ、中央にある天窓の向こうには青空が見えています。
屋上から撮ったものですが、生誕と受難のファザード側のタワーのみが出来上がっている状態で、屋根は建設中です。
内部も柱や天井の一部が出来ているのみ。
これから天井や屋根に取り掛かろうとしている段階ですね。13年後にはどこまで進んでいるのでしょうか。
あれから13年、2015年時点での生誕のファザードです。正面から見る限り前回とさほど変わっていません。
生誕のファザードにはキリストの誕生にまつわる物語りが描かれています。
先ずは中に入る前に外から反時計回りに教会をぐるっと一周してみます。
生誕のファザードから祭壇側に回ります。
祭壇側のステンドグラスや外装はほぼ出来上がっているようです。現在は中央部分のタワーの建設が進められています。
こちらの通り沿いにはカフェがあります。カフェオレとクロワッサンで朝食。
チカちゃんはサグラダ・ファミリアをながめながらの紅茶。私はカフェオレ。
続いて受難のファザード側へ行きます。
受難のファザード
こちらにはキリストの受難の物語りが彫刻されています。
十字架に磔にされたキリスト。
左右のタワーの中央下部に豆粒のような小さな像が見えます。昇天したキリストの像です。
最後は栄光のファザードに回ります。
受難のファザードと栄光のファザードの中間部分。
栄光のファザード、祭壇の反対側になります。いまだ出入口もタワーも未完成です。壁が波打っていますが、この円形部分を利用して内側にタワーが出来るようです。
栄光のファザードと生誕のファザードの間から、中心部のタワーが建設されているところが見えます。
一周して生誕のファザードに戻って来ました。教会内部への入口は手前の柵がある右手にあります。入りましょう。
栄光のファザードを支える柱、その柱を支える亀。聖堂の屋根に降った雨はこの柱の中を通って亀の口から排水されるそうです。
これが世界遺産に登録された生誕のファザードです。ここには ”出エジプト” から ”キリストの生誕” そして”キリストの説教”に至るまでの聖書の場面が彫刻されています。
正面入り口が「愛徳の門」、左が「希望の門」、右が「信仰の門」になっています。
愛徳の門の真上にキリスト生誕の場面が描かれています。
愛徳の門を真下から見上げると、想像もつかないような世界が広がっていました。
それでは愛徳の門から聖堂内に入って行きましょう。
生誕のファザードの入口にはブロンズの門があります。これはサグラダ・ファミリの主任彫刻家である外尾悦郎氏が制作したものです。日本人が携わっていたことにも驚きですが、最も重要な生誕のファザードの扉を担当。すごいですね。
扉には蔦がデザインされています。
聖堂に入ると、これまでの教会では見たこともないような驚きの空間が広がっていました。幻想的でもあるのですが、人だらけ。
聖堂内部は森をイメージして造られています。窓からは木漏れ日のような光が差し込んでいます。
中央辺りにやって来ました。祭壇が見えます。
天蓋の下に、
磔にされたキリストの像が吊り下げられています。そのキリストの足は大きく曲げられています。このポーズは、コロニア・グエルの地下礼拝堂で見たのと同じですね。
再び森の中をイメージしながら見て回ります。
いつまで見上げていても見飽きることはありません。
ステンドグラスの窓から入って来た光が緑溢れる森や青々とした海を連想させてくれます。
ステンドグラスも色とりどり。
やさしい光が聖堂内に差し込んでいます。
時間帯によっては差し込む光も変わり、また違った雰囲気になるのでしょうね。
祭壇とは反対側に扉のようなものが置かれています。これは栄光のファザードの扉になるもので、主の祈りが各国の言葉で書かれています。日本語もありました。
サグラダ・ファミリ教会の平面図です。左に祭壇、右が栄光のファザードになります。
地下にある礼拝堂。生誕のファザードと併せて世界遺産に登録されています。
地下に資料館があります。
構造模型を作っている作業場。
逆さ吊り模型。前回のコロニア・グエル礼拝堂のところで照会しましたが、その現物がここに展示されています。
受難のファザード側の構造模型。
サグラダ・ファミリア教会の完成模型があります。2015年時点で出来ていたのは生誕のファザードと受難のファザードのタワー4本づつ計8本のみ。完成時には全部で18本になるそうです。現時点でもその大きさに飲み込まれそうでしたが、更に巨大なタワーが出来るわけですね。
聖堂内の構造模型。これだけでも充分な大きさがあります。
聖堂から受難のファザード側に出ます。出入口には「福音の扉」があり、その扉には福音書の内容が刻まれています。
受難のファザードには、磔にされたキリストの彫刻を始めとして、キリストの捕縛から昇天までの場面が描かれています。
キリストが柱にくくり付けられています。鞭打ちの刑を受けている場面ですね。
ユダの像の隣に16個の数字が入った文字盤があります。縦・横・斜めに足してみると合計が全て33になります。これはキリストが昇天した時の年齢と同じです。裏切り者ユダのそばに置いてあるのが意味深ですね。
1882年はサグラダ・ファミリアの建設が始まった年です。並んで1982とありますので、100周年を記念してこのモニュメントが作られたものと思います。
バルセロナ滞在途中にポルトガルを訪れ、再びバルセロナに戻って来た際に、サグラダ・ファミリアに最も近いホテルに宿替えです。
サグラダ・ファミリアの祭壇側に面したホテルです。部屋からは四六時中教会を見ることが出来ます。好きな時間に教会を訪れることも可能です。
部屋からの眺め。
クレーンを使って教会の建築が急ピッチで進められています。
祭壇側です。この眺めを見ることが出来るのはここのホテルだけですね。
祭壇の上部が幕で覆われています。この上にマリアの塔が建つ予定です。
マリアの塔の向こうにメインタワーとなるイエスの塔が建てられています。左右の生誕・受難のファザードのタワーは120m程の高さですが、イエスの塔は172.5mになるそうです。巨大ですね。
タワーのてっぺん部分。
夕暮れどき、8時30分。
教会から北に向かってサンパウ病院まで延びているガウディ通り。歩行者用道路ですが、両サイドに(許可を得た?)車が走れるレーンもあります。
ガウディの名前が付いているだけあって、遠くからでもサグラダ・ファミリアを見通すことが出来ます。通りには多くのカフェやレストランがあり、教会を眺めながらの食事にも最適です。
ということで、今夜はこの通りで。
もちろん路上のテラス席です。湿度もなく、さわやかそのもの!
今夜もパエリア、迷った時のパエリア。日本人にぴったりですね。
食後は夜のサグラダファミリアが待っています。
ライトアップされています。
ステンドグラスを通して内部の明かりが漏れています。
生誕のファザードの最上部にマリアの戴冠の彫刻が見えます。後ろのステンドグラスがマリア様の光輪のよう!
こちらは受難のファザード。
ひっそりとした感じです。
教会が完成すれば、ライトアップももっともっと華やかになるのでしょうね。
夜の10時半ころですが、みなさんそれぞれに長い夜を楽しんでいます。
ホテルの裏庭から。真っ青な空!
今回2度目、今日はタワーに上ります。生誕側と受難側のタワーに上れますが、私達が予約したのは受難のファザード側のタワーです。
祭壇のそばに螺旋階段がありますが、入ることは出来ません。
エレベータの乗り口に向かいます。床にイラストが! これはイエスのエルサレム入城を描いたものです。
受難のファザードの一番右側のタワーを65m付近までエレベータで上り、タワーを繋いでいる通路から隣のタワーに移ります。その後、景色を眺めながら歩いて下りて来ます。途中、左右のタワーの中央にある展望デッキに立ち寄ります。
エレベータに乗ります。
エレベータを降りて、螺旋階段を少し上ります。
バルセロナ市内が見渡せます。
タワーの内部、見上げてみました。
隣りのタワーにはネットが張られています。これから装飾がなされるのでしょうね。
メインタワーの工事も順調のようです。
右側にある2本のタワーを繋ぐ通路に出ました。ここで隣のタワーに移ります。
街の向こうには地中海が望めます。
タワーを回るように螺旋階段を下りて行きます。
左右のタワーの中央にある展望ブリッジにやって来ました。
”キリストの昇天” の像。地上からは豆つぶ程でしたが、間近に見えます。
工事が着々と進められています。
至る所で作業中。
これから色付けが行われるものと思います。
マリア様? それともマグダラのマリアでしょうか?
螺旋階段になっています。そろそろタワー見学もお終いのようです。
螺旋階段の上部。
巻貝をイメージした階段になっています。
聖堂内が見えて来ました。
出口
工事中のタワー見学でしたが、完成後の姿を想像するだけでもワクワクして来ます。
生誕のファザードのタワー4本、それと受難のファザードのタワー4本、計8本のタワーが2015年時点で完成しています。
5年経った2020年のグーグルマップの航空写真です。工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
生誕と受難のファザードの間に6本のタワーが建設されています。中央が最も高いイエスの塔で172.5mになる予定。左上が祭壇の上に建てられているマリアの塔です。右下が栄光のファザードで4本のタワーが建ち、合計18本になります。
こちらはガウディ通りから見たストリートビューの写真です。生誕のファザードと祭壇側の間になります。イエスの塔は奥にあるためよく見えませんが、手前にマリアの塔がそびえ立っています。
完成は2026年、私達が訪れた日から11年後です。当初は300年、400年かかると言われていましたが、建築技術の進歩やITの活用によって144年で完成する予定です。ガウディが1926年に交通事故で無くなってから丁度100年後のことです。私達も70代、果たして完成後の実物を見ることが叶うのでしょうか。
バルセロナに滞在中、ポルトガルの首都リスボンを訪れて来ましたので、次の項でご紹介します。