シンガポールの次の訪問地は、日本人にも大人気のリゾート地、インドネシアのバリ島です。4泊5日の予定で島内を巡ります。
インドネシアはスマトラ島やジャワ島を始めとして1万5千ほどの島々から成っています。人口は2億5千万余りで、その約90%がイスラム教に属しており、いわば世界一のイスラム国家と言えます。一方、ジャワ島の東側に位置するバリ島は9割近くがヒンドゥー教徒で、ジャワ島とは一線を画するバリ島独特の文化が発展して来ました。
「神々の住む島」とも称されるバリ島。愛媛県ほどの大きさですが、標高3000m超のアグン山を始めとする自然豊かな島です。
バリ島観光ではドライバーとガイド付きの車を時間制でチャーターします。行きたいところを自由に決めることが出来るのでとても便利です。
バリ島のデンパサール国際空港に到着。シンガポールからは3時間弱のフライトで12時過ぎに着きました。日本との時差は1時間です。
ラマヤナ リゾート&スパ ホテル。バリ島で最も人気のクタ・エリアにあります。
リゾートタイプのホテルですが、徒歩圏内にビーチや繁華街そしてショッピングモールもあります。
昼食後、クタ・エリアをぶらぶらします。
レギャン通り。メインストリートですが昼間のせいかあまり人通りはありません。
レギャン通りにあるテロ慰霊碑です。2002年、ディスコ前に停められていた車が爆発。日本人2人を含む202人が死亡する大惨事となりました。イスラム過激派によるものです。
クタ・ビーチにやって来ました。広くてきれいなビーチがどこまでも続いています。
でも、リゾート地という雰囲気ではありません。ビーチに寝そべっている人や泳いでいる人はあまり見受けられません。服を着て立っている人ばかりです。
こちらではサーフィンを楽しんでいます。
美しいビーチでしたが、抱いていたイメージとは少し違っていました。
夕食はレギャン通りのレストランで。夜9時頃でしたが観光客はまばら。
夜のクタ・ビーチ。星明りもなく、ビーチは真っ暗。人がいるのかいないのか分かりません。長居は無用ですね。
朝です。本日の車チャーターは9時から21時まで、12時間の予約です。
最初はゴアガジャ遺跡へ。ゴアガジャとは「像の洞窟」という意味だそうです。オランダ人が遺跡を発見した時、像のように見えたからだとか。
沐浴場。女性用と男性用に分かれています。女神の像が持っている壺から聖水が流れ出ています。
奇妙な岩が! これが像に見えたのでしょうね。
岩に彫られているのは魔女のランダ、口の部分が洞窟への入り口になっています。
ゴアガジャを後にしてティルタウンプル寺院に向かって北上します。
ティルタウンプル寺院。”ティルタ” は水、”ウンプル” は聖の意味で、「聖なる水が湧く寺院」として人気です。
入り口付近では頭にバナナを載せたおばさんが観光客相手に売り歩いています。
祭礼時に踊りが奉納される建物。
門が割れたような形になっています。割れ門といい、バリ島の寺院にはこの割れ門が必ずあります。割れ門をくぐると邪悪なものが清められるそうです。
割れ門の先に沐浴場があります。聖なる水の出口がいくつもあり、左から順番に浴びていきます。
水に触れるとひんやりとして気持ちよさそう。
チカちゃんが腰に黄色い帯をしています。スレンダン(腰ひも)というもので、寺院に入る際には着用しなければなりません。入り口で無料で貸してくれます。
聖水が湧き出ている泉です。奥のほうの水の色が変わっています。
こちらのお堂にはいくつもの石像が取り付けられています。
柱もカラフル!
丘の上の建物はスカルノ大統領の別荘だったそうです。今は迎賓館とのこと。
こちらの池では聖水の中で鯉がきもちようそうに泳いでいました。
土産物屋さんを横切って駐車場に戻ります。
コーヒーの木。
コーヒー農園「バリプリナ」にやって来ました。
猫のような動物が昼寝をしています。ジャコウネコです。このジャコウネコにコーヒーの実を食べさせ、消化されずに出てきた豆が 超高級 ”ルアックコーヒー” です。
おかあさんがコーヒーの豆を炒っています。
炒った豆を挽くための臼。
見学が終わるとカフェに案内されます。
8種類のコーヒーとティを試飲させてくれます。が、お目当てはルアックコーヒー。
ルアックコーヒーが出てきました。
最後にルアックコーヒー豆を買って、ジャコウネコにお別れ。
キンタマーニ高原に到着。
キンタマーニ高原は標高1500m余りで、バトゥール山やバトゥール湖、そしてアグン山を望むことの出来る景勝地です。
高原レストランで絶景のパノラマを眺めながら昼食。
ランチはビュッフェスタイルのインドネシア料理です。
食後はテラスに出てパノラマ鑑賞。バリ島最高峰のアグン山が右手の雲の向こうにかすかに見えています。
正面に美しい姿のバトゥール山、その右手には世界遺産のバトゥール湖が広がっています。
次の目的地はウルン・ダヌ・バトゥール寺院。こちらも世界遺産に登録されています。先ほどのレストランの近くにあります。
訪れた時はオダランという1年に1度の祭礼の時期でした。入口では着飾った鬼神や龍のお出迎え。
階段を上り、割れ門から入って行きます。
割れ門を抜けるとヒンドゥー教の「ガネーシャ神」があります。頭が像で体が人間の神様で、商売繁盛、学問成就の御利益があるそうです。
これは村人に情報を伝えるための木製の鐘で、クルクル塔というものです。
ガイドさんがサロン(腰巻)とスレンダン(腰ひも)、それに男性用としてウダンという頭に巻く布も用意してくれました。祭礼の時期には正装しなければなりませんが、これは略式で観光客用のものです。
ウルン・ダヌ・バトゥール寺院の沿革が書かれた石板。以前、寺院はバトゥール湖の湖畔にありましたが、バトゥール山の噴火で村は壊滅。奇跡的に残ったこの寺院をこの場所に再建したとのことです。
左から割れ門、中門、そしてメルと呼ばれる多重塔が並んで建っています。このように同じ場所に建てられているのは珍しいそうです。
この寺院、もともとは仏教の寺院だったそうです。その後ヒンドゥー教寺院に姿を変えましたが、今でも仏教の仏様とヒンドゥー教のガネーシャ神の両方が祭られているとのことです。
大きなガネーシャ神。お祭り用に果物や野菜で作られています。
寺院内にはメル(多重塔)や社が200以上もあるそうです。
信者さんが熱心にお祈りしています。邪魔をしないように!
左から水の神、風の神、火の神が祀られています。
ウルン・ダヌ・バトゥール寺院を後にし、ウブド方面へ引き返します。途中、テガラランのライステラスに立ち寄ります。
テガラランのライステラス(棚田)。
ウブドに近いこともあり人気のライステラスです。
土産物屋さんのテラスが絶好の撮影スポット。
美しい曲線を描いて棚田が広がっています。テガラランのライステラスはコンパクトに出来ているので全景を見渡すことが出来ます。これも人気の秘密。
あぜ道を下りていきます。
お百姓さんがハイ・ポーズ!
田植え直後ですね。
猫の額のような田んぼ。
こちらは田植えしてから暫く経っています。インドネシアでは年に3回お米がとれます。いわゆる三期作ですね。蛇足ですが、三毛作は1年間に3種類の異なる作物を栽培することです。
観光客が列をなして下りて来ます。
日本でも棚田はお馴染みですが、ヤシの木が南国にいる感じを与えてくれます。
田植え直後で青々としています。刈り取り後だと殺風景ですよね。
土産物屋さんを覗きながら、ガイドさんとの合流場所へ。
道路には車が溢れています。ここには駐車スペースがほとんどないので、ドライバーさんが車で待ってくれています。
これからウブドへ向かいます。
標高600mのウブドに到着。クタからだと車で90分ほど。芸術の町として知られ、田園風景が広がる美しいエリアです。
ウブド王宮の正門。赤レンガで作られています。
王宮の中に入ります。
バリの伝統舞踊が行わるステージがあります。
夜になるとライトアップされ、煌びやかな衣装をまとった女性がバリ伝統の音楽に合わせて踊ります。残念ながら私たちは今夜クタのホテルに帰ります。
こちらは見事な彫刻が施された中門。この先は神の領域のため入れません。
王宮西門の鬼神。なかなかの迫力です。
ここからはガイドさんと別れて自由行動。王宮の近くにあるウブド市場をうろつきながらショッピング。
その後、軽めの夕食。
夕食後クタへ帰ります。12時間の長い1日でした。
3日目は断崖絶壁にあるウルワツ寺院を訪れます。
出発は夕方前、それまではホテル周辺でのんびり過ごします。
午前中はディスカバリーショッピングモールでおみやげ探し! ホテルから南へ500mほどのところにある大型のモールです。
モールの裏手は海岸。
クタ・ビーチへと続いています。
海へ。足だけですが、これがバリ島で最初で最後の海水浴でした。
モール内の洒落たカフェでコーヒータイム。
海辺にはオープンエアのレストランもあります。
午後はホテルのプールサイドでリゾート気分を満喫。
午後3時半にホテルを出発して、バリ島最南端にあるウルワツ寺院を訪れます。寺院では断崖絶壁の景観とケチャックダンス(ケチャダンス)を鑑賞。
この日の車チャーターは6時間の予定です。
入り口にある受付で入場料とケチャックダンスのチケットを購入し、スレンダンを借ります。もちろんガイドさんが全てやってくれます。
割れ門を通り抜けて進みます。
スレンダン(腰ひも)を着用。
ちなみにチカちゃんのズボンは昨日のウブド市場で買ったもの。日本の夏にもピッタリ、重宝しています。私のT-シャツは今朝のディスカバリーショッピングモールで買いましたが、日本では派手過ぎました。
階段を上った先は断崖絶壁。岬がインド洋に向かって突き出ています。
その岬には崖に沿って遊歩道があります。
観光客はウルワツ寺院の境内には入れません。寺院の周囲を散策しながら絶景を楽しみます。
高さ70mの断崖絶壁。その上にすり鉢状のようなものが見えます。
野外劇場になっています。ここでケチャックダンスが行われるようです。
近代的なモニュメントがありました。
猿の大将のようです。像の周囲に多くの小猿が群がっています。
左手の岬の上に塔が見えます。
ウルワツ寺院のシンボル、三層のメル(多重塔)。
割れ門が閉まっています。ウルワツ寺院の境内へ通じる門ですが、入ることは出来ません。
ケチャックダンス会場近くから右手にウルワツ寺院が見えます。
5時過ぎ。サンセットが近づいています。
断崖絶壁の上のメル。
幻想的!
ケチャックダンスは6時から。
自由席。早めに来て、よさげな席を確保。出口にも近く、終了後混雑を避けて抜け出せます。
6時前、サンセットの始まりですが、地平線はあいにくの曇り。残念!
灯りがともり、ケチャックダンスの始まり。
チケット購入時に物語りの説明書きをくれます。A4一枚ほどですので、目を通しておくとストーリーが理解出来て、興味が倍増します。
上半身裸の踊り手が登場して来ました。
彼らは踊るわけではありません。楽器を使うわけでもありません。チャッチャッチャという掛け声をリズミカルに発し、それに合わせるように物語りが展開して行きます。
ショーが始まりました。
古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」の物語で、王子妃シータが魔王にさらわれ、それを助け出すというストーリーです。
突然、高所から人物が現れました。猿の将軍で、王妃を救い出すために大活躍します。
会場に来る途中に猿の大将の像がありましたが、この将軍がそのモデルですね。
登場人物にセリフはありません。チャッチャッチャの掛け声に合わせて演じるだけです。
突然、今度は観客の中から猿の将軍が登場。場が盛り上がる瞬間です。
囚われの身のシータ妃に巡り合えました。
またまた突然、将軍が手すりを伝って滑り降りて来ました。拍手喝采!
これから終盤へ。
猿の将軍が魔王に捕まってしまいました。
将軍のまわりに火が放たれます。クライマックス!
自力で脱出。
魔王をやっつけて、
王子とシータ妃が無事再会。めでたしめでたし、ですね。あっという間の1時間でした。
ウルワツ寺院からの帰り道、ジンバランビーチでシーフードを頂くことに。
砂浜の上にテーブルが置かれています。
ギターバンドのグループが各テーブルを回っています。
一曲お願いすることに。
砂浜の上で心地よい風に吹かれてのディナー。
シーフードセットメニュー。ややお高い感じはしますが、最高のシチュエーションです。
砂浜に浮かび上がるシルエット。
バリ島4日目は世界遺産のタマンアユン寺院とジャティルウィ棚田、そしてサンセットで人気のタナ・ロット寺院を訪れます。10時間の予定で車をチャーターします。
タマンアユン寺院門前の土産物屋さん。
タマンアユン寺院。1634年に建てられたヒンドゥー教の寺院で、世界遺産です。
割れ門をくぐって行きます。
綺麗な芝生。まるでヨーロッパのよう!
タマンアユンとは「美しい庭」という意味だそうです。納得ですね。
闘鶏場。人形で闘鶏の様子が展示されています。祭礼時には闘鶏が行われるとのことです。
茅葺屋根の建物で、精霊が降臨してくるためのものだそうです。
大きな門があります。普段は閉まっていますので中に入ることは出来ません。
寺院は周囲を水路に囲まれています。水路の外側に遊歩道があり、そこから寺院の内部を見学することが出来ます。
こちらがタマンアユン寺院の本殿。
神殿の向こうにメル(多重塔)が見えています。
タマンアユン寺院の見どころは10基のメル。
基壇の石像やレリーフも繊細な作りで保存状態も良好。
この寺院で最大のメル、11層あります。
メルは神聖とされる奇数で出来ているのが一般的ですが、ここには2層(左端)のメルもあります。
プルメリア、聖なる花としてお供え物に使われます。
蓮のある池
タマンアユン寺院の次はジャティルウィのライステラス(棚田)見学。こちらも世界遺産です。移動途中から大雨になって来ました。
暫くすれば上がるだろうとのことで、それまでランチタイム。
ビュフェスタイルで、デザートは果物の女王と言われているマンゴスティン。
雨上がりのジャティルウィ棚田。一面の緑です。
田植え後で、水が棚田を上から下へ流れています。灌漑の関係でこの辺りの田んぼは田植え時期が同じになっています。
こちらは稲穂が出る手前です。
あぜ道を散歩。
手前の田んぼは稲穂が出揃ったところですが、まだ青々としています。実りを迎えるとライステラスもまだら模様になるのでしょうね。
茅葺屋根の物置小屋が点在しています。
テガラランに比べるとはるかに広大なライステラスです。人気のテガララン、世界遺産のジャティルウィといったところでしょうか。
タナロット寺院に移動します。バイクに山ほどの荷物!
途中にバタフライパークがありました。予定外ですが、時間もあるので立ち寄ることに。
蝶を放し飼いにしています。園内をネットで覆っていますので、自然な感じで蝶と触れ合うことが出来ます。
屋内の展示室へ。蝶の標本が展示されています。
綺麗な翅(はね)。
蝶以外にも、カブトムシなどの昆虫の標本もあります。
展示室を出て、飼育施設を見学。
クワガタムシも飼育されています。
葉っぱに何かいます。ナナフシ(左)とコノハムシ(右)です。
担当者が体にくっつけてくれました。ナナフシは木の枝に擬態し、コノハムシは葉っぱの形をしています。
次のブースではサソリが。うごめいています。
こちらでは蝶のさなぎを孵化させているところ。
孵化したばかりの蝶を体にくっつけてくれました。大きいほうはクプクプ ・バロンという世界最大級の蛾で、日本ではヨナグニサンとも呼ばれています。このクプクプ ・バロン、映画ゴジラに出てくるモスラのモデルだそうです。懐かしいですね、年寄りには!
再び園内を見て回ります。
バタフライパークのスタッフも気さくで、楽しいひと時でした。
海に浮かぶ神秘のタナロット寺院にやって来ました。
土産物店が並ぶ参道のような道を進みます。
突き当りに寺院への入り口となる割れ門があります。
割れ門をくぐるときれいな庭があり、その先に海が広がっています。
更に進むと、二つ目の割れ門。
海辺に続いています。
海に浮かぶタナロット寺院。16世紀ごろの建立。ウルワツ寺院と並び夕日の美しい寺院として大人気。
岩の上に寺院がありますが、中には入れません。
運よく干潮、島に渡れそう。洞窟の前には行列が出来ています。
洞窟の中に聖水が湧いており、この水でお坊さんがお清めをしてくれます。
① まず、お布施を入れ ② 聖水で手と口を清め ③ お坊さんによるお清め
④ 額にお米をつけて、弟子のお坊さんが耳に花飾り。二人で流れ作業 ⑤ 耳飾りはタマンアユン寺院で見た聖なる花、プルメリアです ⑥ ご機嫌のチカちゃん
午後5時半。サンセットは6時過ぎです。
サンセットまで、皆さん海辺で楽しんでいます。
こんな岩の上にも。
今日は生憎の曇り空。晴れていると、タナロット寺院が夕日に映えるのでしょうね。
タナロット寺院の北側に小さな岬が二つあり、手前の岬に祠のような小さな寺院がありました。その前で皆さん手を合わせて撮影しています。私たちもパチリ!
向こうに二つ目の岬があります。
その突端には小さな神社。夕暮れ時でわびさびを感じさせてくれます。
足元の海ではサーフィン。
潮が満ち始めて来ました。
バリ島最後の夜はホテル近くのイタリアンで!
バリ島最後の朝。
午前中にジャワ島の中部にある古都ジョグジャカルタに移動します。
バリ島のデンパサール空港を出発。
ジョグジャカルタまで1時間余り。
バリ島とは時差が1時間(日本とは2時間)あります。