昭和を代表する外国人プロレスラーと言えばアブドーラ・ザ・ブッチャーではないでしょうか。平成になってプロレスを見る機会はほとんどなくなりましたが、その後のブッチャーはどうしているのでしょう?
アブドーラ・ザ・ブッチャー。史上最凶の悪役レスラーとして鳴らしましたが、一方で地獄突きと称される空手のポーズや愛嬌のあるキャラクターが受けて超人気者になりました。
優しそうな目、とても悪役とは思えません。
そのブッチャーが米国ジョージア州アトランタでレストランを営んでいるとのこと。 お店はアトランタ市の環状線の南西にあります。
そのお店がこちら。2009年に訪れました。
その名もずばり「Abdullah the Butcher」という、バーベキューと中華のレストランです。
店に入ると、ブッチャーの写真や記念品が所狭しと飾られています。
チャンピオンベルトやトロフィーの写真
感謝状やフィギュアなどもあります。
ブッチャーのトレードマークとも言える額の傷。ここから試合の度に血が吹き出ていましたが、写真には「幸福な流血」だったと書かれています。まさしく ”汗と血と涙” の人生だったのでしょうね。
ブッチャーは引退セレモニーで、「若者よ、親を大事にしろ。老人ホームなんかにぶち込むな」と語ったそうです。こちらが彼のご両親。
レストランそのものがブッチャー・ミュージアムのようです。
中でも、ジャイアント馬場はブッチャーにとってかけがえのないパートナーでした。彼と出会わなかったら、ブッチャーはただの悪役レスラーで終えたかもしれません。
ところで、お目当てのブッチャーが見当たりません。マダムに尋ねると「店を引退して、もう来ていない」とのこと。残念! 仕方なく食事をして帰ることにしました。
バーベキューリブとチャーハンを注文。超大盛です。半分ほど食べたところで、お腹が一杯に。そこへマダムが来て、「ブッチャーがやって来た」との知らせです。連絡してくれたのですね。
杖をつきながら巨体をひきずるようにして椅子に腰掛けると、さっそくサイン会。持参した色紙を渡すと、すらすらと書き始めました。
ブッチャーのサインと似顔絵、お店の名刺を添えてくれました。
その名刺には、お店自慢のバーベキューリブにフォーク? ならぬ、対戦レスラーの額にフォークを突き刺すブッチャーの得意技が載っています。ブッチャーのロープを嚙みながらフォークを突き刺している顔も額から血を吹き出している相手の表情も身の毛がよだつほどの凄まじさです。
サインの後は記念撮影です。
チカちゃんとツーショット、ですが、プリンスエドワード島のおじいさんやスリランカのバカタレ君のように肩に手を掛けていません。でも、よく見ると、チカちゃんの腰に手をまわしています。さすが、心優しきアブドーラ・ザ・ブッチャー様ですね。
この時(2009年)、ブッチャーは68歳。とっくの昔にプロレスから引退したものと思っていたのですが、現役でした。最後の試合は2012年だったそうです。
ところで最近グーグルマップで確認したところ、お店は廃業したのか移転したのか定かではありませんが、空き家のようになっていました。
徒然なるままに!