スリランカ編第1章はダンブッラ、アヌラーダブラそしてボロンナルワといった古代遺跡を巡る旅でしたが、第2章ではシギリヤからラトゥナプラまで自然と触れ合いながらの旅を紹介します。
まずはスリランカで最も人気のシギリヤロック登頂から始めます。
地球の歩き方より:
その岩山はジャングルの中に突如として姿を現す。周囲の緑とはあまりにも対照的な赤褐色の岩肌は、空に向かってほとんど垂直に切り立っている。その景観を眺めていると、地球のエネルギーはよくこんな産物を残したものだと思わずにはいられない。シーギリヤへの旅は、こんな驚きとともに始まる。しかし、さらに驚くべきは、この岩山の頂上に華麗な王宮を建てて住んだ王がいたという事実だ。父を殺し、強引に王の座に就いた若き王子は、弟の復讐を恐れ、この狂気ともいえる城を築いた。急激な岩肌をはうようにして頂上へ登り詰め、いまは遺構だけとなった王宮に立ったとき、聞こえてくるのは風の音だけ。こんな寂しい場所で、自ら孤独を選び、権力を手にした若者は何を思っていたのだろう。
朝7時前にトゥクトゥクでシギリヤ博物館にやって来ました。ここでシギリヤロックへの入場券を購入します。チカちゃんは腰痛のため登頂は諦めて周辺を散策することに。
チケット(30ドル)を購入して入口に向かいます。 開園は7時ですが、5分前に入口に到着。長い列が出来ているかと思いきや、既に入場が始まっていました。
ロック入口のお濠を超えて敷地内に入って行きます。
600mほどの参道をロック目指して進みます。
ここから登頂開始です! 岩山の高さは約180m。
行く手には大きな岩、私達の立ち入りを拒んでいるかのようです。
石段が続きます。
石段が終わると次は螺旋階段。
螺旋階段を登るとシギリヤレディのお出ましです。
残念ながら撮影禁止のため、travel.jpさんの写真をお借りしました。
フレスコ画で美女が描かれています。胸を隠していない女性の方が身分が高く、服を着ている女性は侍女だそうです。
当初は数百人の美女が描かれていたそうですが、風化が進み現在は18体が残っているのみ。損傷が激しいものもありました。
シギリヤレディに別れを告げ、下りの螺旋階段へ進むと、下にミラーウォールが見えて来ました。
螺旋階段を下りるとミラーウォールへと続きます。
かつては岩肌にフレスコ画の美女が描かれていました。その美女たちが反対側のミラーウォールに映し出されていたそうです。当時はミラーウォールも鏡のようにピカピカだったのでしょうね。
岩山の中腹には建物の跡地や今にも落ちそうな大きな石があります。
巨石の下には小さな石がはめ込まれていて、敵が襲ってきた時に落とすことが出来るようになっています。
岩壁に沿って石段を登って行きます。
中腹にあるライオン広場に到着。
入口から30分ほど、朝一でもあり混雑することなくやって来ました。
ライオンの足に挟まれた階段が頂上への入口となるライオンゲート。かつてはライオンの顔もあって、ライオンに飲み込まれるように階段を登っていったのでしょうね。
蜂に注意の標識があります。季節や時間帯にもよりますが、人が大勢いると蜂が襲って来るそうです。その時のために避難小屋が設けられています。
一休みした後、登頂再開。
ライオンゲートから入って行きます。
岩肌にへばりつくように鉄製の階段が設置されています。「この階段、大丈夫?」なんてことは考えないで、ただひたすら上を向いて登って行きます。
はるか下にライオン広場が見えています。
頂上が近づいて来ました。
45分ほどで180mを登り切りました。
こんなところにも犬が! 仏さまを見習ってか、足を揃えて寝ています。
頂上の宮殿跡、王様専用のプールもあります。まさしく天空の城ですね。
目の前には、ジャングルのパノラマビューが広がっています。
頂上の広場はまっ平ではなく段々畑のようなテラスになっています。それぞれのテラスの上に建物が築かれていたわけですね。それを地上から見上げれば、何層ものお城のように、夜に灯りがともれば空中に浮かんでいるように見えたことでしょう。
ロックの南側には人工池のシギリヤ・タンクが見えます。ランカさんによると、この池からお濠や庭園に水を引き込み、そしてポンプを使って頂上まで汲み上げていたそうです。1500年も前にそのような技術があったとは!
アヌラーダブラ王朝時代、484年から495年までこの岩山の上に都が置かれていました。その後ジャングルの中に埋もれ、1400年の時を経て再び人々の前に姿を現わします。孤独の王がこの岩山の上に我々を誘ったかのようです。
これから下ります。頂上での滞在時間は25分ほどでした。
登る人も増え始めました。
その足元を犬がすり抜けて頂上を目指しています。何のために登るのでしょう?
ライオン広場から見上げると、頂上の宮殿跡が夢物語のようです。
ミラーウォールやコブラの岩を眺めながら更に下って行きます。
訪問者が王様と会うための謁見の間や人が生活をしていた洞窟などもあります。
駐車場でチカちゃんが待っています。
下りは25分、朝一番の登頂だったこともあり混み合うこともなく、登頂開始から1時間半余りでした。
出口の駐車場からチケット売り場に戻ります。チケット売り場には博物館がありますが、9時からの開館でまだオープン前です。
見学者が列をなして来ました。これからだと登頂にかなりの時間がかかりそうです。しかも灼熱地獄が待っているかも。
シギリヤ博物館、日本の協力で建てられました。
セイロン時代の10セント紙幣にもこのシギリヤロックが描かれています。
昔はこのようにしてシギリヤレディを見ていたようです。命がけですね。
岩壁にシギリヤレディが描かれています。もちろんレプリカ、写真撮影もOK。
神秘のシギリヤロック。あっという間の登頂でした。
岩見荘の人達とお別れ、アユボワン!
ロック登頂後シギリヤから南へ約20km、ダンブッラからだと東へ10kmほどのところにあるヘリタンスカンダラマ・ホテルを訪れます。
ヘリタンスカンダラマ湖のほとりに、スリランカが生んだ奇才の建築家ジェフリー・バワが設計したホテルが建っています。
地球の歩き方より :
緑に埋もれるように建てられたホテルの全長はなんと968mにも及び、近くからその全貌を見ることは不可能だ。岩肌がむき出しとなったロビー、カンダラマ湖と一体になったかのように見えるプール。まるで自然との境界をなくしてしまったかのような建築は、バワの設計ならではのもの。ホテルそのものが観光名所といっていいほど、見どころ沢山のホテルだ。
岩肌がむき出しになったロビー。
受付ロビーからカンダマラ湖が素通しで見渡せます。
ホテルの中にもむき出しの岩がそのまま使われています。
テラス席のカフェでアフタヌーンティ。
カフェから続くデコボコ道の先に湖があり、泳いでいる人達がいます。
カンダマラ湖です。よく見ると、水の色が違っています。青く見えるところはプール、その先がカンダマラ湖です。プールと湖が一体になったように見えるインフィニティプールと呼ばれるもので、シンガポールのマリーナベイサンズホテルの屋上にあるプールが有名ですが、今では世界中で見られるようになりました。このインフィニティプールを最初に考案したのがバワです。
プールの上の展望台からカンダマラ湖が見渡せます。ここからだと、プールが湖より高い所にあることが分かります。この高低差を利用して、湖とプールが一直線に見えるように設計したというわけです。簡単な原理ですが、コロンブスの卵ですね。
ヘリタンスカンダラマ・ホテル、次の機会には是非泊まりたいものです。
次の目的地はマータレー市近郊のスパイスガーデン。当初の予定はビンナワラに直行でしたが、ランカさんのお勧めで寄り道をすることに。
スパイスガーデン。名前の通り、色々な種類の薬草やスパイスの木が栽培されています。
左がビャクダン、右はペッパーの木。ビャクダンは香木で非常に高価なものです。
カカオとバニラ。カカオは幹に直接実がなっています。
赤いパイナップルとジャックフルーツ、ドリアンに似ていますね。この他にも多種多様のスパイスの木がありました。
ガーデン内のレストランで昼食。
園内には売店もあり、好みのスパイスを購入することが出来ます。
大きくて煌びやかなマータレ・ヒンドゥー教寺院。
スパイスガーデンから10km余り南のマータレー市内にあるヒンドゥー教の寺院です。この日はあいにくのお休みで、中には入れませんでした。
スリランカでは仏教徒のシンハラ人が多数派ですが、少数派のタミル人はヒンドゥー教を信仰。これほど立派なヒンドゥー教寺院があるということは、この地域にはタミル人が多く住んでいそうです。
少し遠回りをしましたが、マータレーからクルネガラを経て、今夜の宿泊地であるビンナワラに向かいます。
スリランカには数多くの象が生息していますが、親とはぐれた小象を飼育する象の孤児院がビンナワラという小さな町にあります。小象にミルクや果物を与えたり、川で水浴びをするところを見学することが出来ます。(注:2019年3月時点で小象はいませんでした。別の施設で保護されるようになったとのことです)
夜の7時頃、ビンナワラのゲストハウスに到着。今日はシギリヤロック登頂後、ヘリタンスカンダラマとマータレを訪れ、移動だけでも5時間半、さすがに疲れました。
2種類のコンセントがありますが、マルチ対応ではありません。日本から持参した接続用プラグを使って、携帯バッテリを充電、同時にスマホも充電します。
夕食はランカさんがハネムーンで泊まったという高級ホテルのレストラン。ところがまだ8時前だというのに開いていたのは中華のみ、しかも閉店前でお客は我々だけ。お酒もありません。早寝早起き、普段は酒を飲まない、これがスリランカの人々の生活スタイルだそうです。
ゲストハウスでの朝食。ミルクで炊き上げたミルキーライスを出してくれました。おなかにやさしい味で、チカちゃんもすっかり気に入ったようです。
ビンナワラは小さな田舎町。そこに子供たちに大人気の象の孤児院があります。
8時30分に開園すると、大きなサイレンとともに象が出口に向かってやって来ました。病気の象が一足先に川へ水浴びに行くところです。
トラックが葉っぱを運んでいます。象の餌ですね。その方向へ歩いて行くと象さん達がいました。
白い服を着た子供たちもいます。フィールドトリップ(実地見学)のようです。
象さんへの果物やりが始まると、子供たちも続々と集まって来ました。
私達の番です。象の舌はべっちょべちょ。
こんな近くで危なくないのでしょうか? もし象がいうことをきかないようであれば、象使いが尖った棒の先で象の耳の柔らかいところをチクチクやるそうです。
次は象の水浴びタイム。川まで300mほど、参道のようになっています。その両脇には土産物屋さんがズラリ。
象がウンチを! 実物大の作りもので、象のウンチを再利用した土産物屋さんのディスプレです。
このお店では象のウンチで紙を作っています。ウンチの塊をほぐし、色付け、そして紙をすいています。その後、水分をとり、乾燥させれば出来上がり。
そうこうしているうちに、象がやって来ました。柵もなく、目の前を通り過ぎて行きます、迫力満点。
川に入る前にシャワーを浴びて、水の中に寝ころび、体を洗ってもらっています。極楽、極楽!
ひときわ大きな象、首に重そうな鎖をかけています。半野生のため人に危害を加えないよう重りでパワーを抑えているそうです。
象の水浴びが間近で見られます。柵などもありません。
白い制服の子供たちも象の水浴びをキラキラとした目で見つめています。
見飽きることはありませんが、象さんたちにお別れ。
次の目的地キャンディに向かう途中の果物屋さん。南国ならではのフルーツが盛沢山。バナナの中でも珍しい赤バナナ、果物の女王マンゴスティンなどなど。
ローカルの食堂でランチ、ハエが一匹ウロチョロしていました。安全・安心の面でランカさんとしてはお勧めでないのですが、観光客向けのレストランはどこも同じようなスタイル。スリランカの人達がいつも食べているカレーが恋しい、ということでランカさんにお願いしました。
ガソリンスタンドで給油。1リットル90円ほど、庶民にとってはかなり高いのでしょうね。計り売りもしていました。
古都キャンディ。4世紀初めにインドからアヌラーダブラに持ち込まれた仏陀の歯は歴代王朝の都と共に移り変わり、現在はキャンディの仏歯寺(ダラダー・マーリガーワ寺院)に祀られています。仏歯寺では日に3回お祈りがありますが、その時間に合わせて参拝します。
地球の歩き方より :
キャンディの町は、標高300mほどのなだらかな山々に囲まれた狭い盆地にある。北に栄えていたシンハラ王朝が、インドからの侵入者に追われて南下を続け、最後に選んだのがこの地だった。周囲の山が敵の侵入を阻み、イギリスによって滅ぼされるまでの300年以上にわたり、シンハラ文化の華を咲かせた。「スリランカで最もスリランカらしい町」といわれるように、訪れてみれば、その落ち着いた町の雰囲気が、スリランカに住む人々がもつ独特の穏やかさによるものだと、うかがい知ることができる。
ホテルは市街中心部にあり、周辺は車の音やクラクションでけたたましい音がしています。が、ホテルの中は至って静か。
チェックイン後、街をブラつきながら、湖の畔にあるキャンディアンダンスの会場に向かいます。
Natural Coffeeという日本人経営のカフェ。
スリランカではかつてコーヒーが栽培されていました。セイロン・コーヒーといえばご存知の方も多いと思います。そのコーヒーの木が枯れてしまい、植民地時代にイギリス人が紅茶に切り替えてしまいました。今ではスリランカといえば紅茶と言われるほどですが、最近、日本人によってコーヒーの復活プロジェクトが進められています。そのセイロン・コーヒーがこのお店で頂けるというわけです。
キャンディ湖。19世紀初めに造られた人造湖です。湖の中にある小さな島には王様のハーレムがあったそうです。
湖の畔にキャンディアンダンスの会場 Kandyan cultural centre があります。
キャンディアンダンス。女性は優雅に舞い、男性は戦士のように激しく踊っています。
踊りの後は屋外でファイアダンス。口にガソリンのようなものを含み、一気に炎を吐き出しています。
最後は火の上を裸足で歩く、「火渡り」です。
これで1時間ほどのショーが終わりました。
トゥクトゥクでホテルまで帰り、近くのパブで夕食。パブだけあって、欧米系の観光客で賑わっていました。
翌朝の5時前、トゥクトゥクで仏歯寺へ。
入口前の花屋で献花用の花を購入しました。蓮の花でアレンジされています。
先ずはセキュリティチェック。男性と女性の列は別々です。
正面にライトアップされているのが八角堂。ここを左に行けば仏歯寺への入口です。皆さん、左へ。私達もつられて左へ行き、入り口で開場を待っていました。
ところが、外国人用のチケット売り場は八角堂の右手とのこと。慌ててそちらへ行くと、今度は係員がいません。早朝のため外国人が少ないせいか開店休業!
ずいぶん時間をロスしましたが、仏歯寺に入って行きます。
開場から10分ほどですが、参拝者がずいぶん増えています。
2階への階段手前で流れがストップ。全く動かなくなりました。
中には列を無視してすり抜けていく人も。この時は、どこにでもズルい人はいるものだ、なんて思ったものです。
2階には仏歯が納められた部屋があります。その仏歯はストゥーパ(仏塔)の形をした容器に入っています。そして日に3回行われるプージャ(お祈り)の時間にその部屋の扉が開きます。
仏歯の部屋の向かい側に献花台があります。列に並ばない人達が献花をして、お祈りをするためのものです。
さて、1時間近くかかりましたが、私達の番がやって来ました。仏歯の部屋の前で係りの人に蓮の花を渡し、仏歯が納められた容器に向かってお祈りをします。
なお、仏歯の部屋の周りでは撮影が禁止されています。(少し離れればOKとのこと)
仏歯の間以外の部屋は内部を見学出来ますが、撮影は禁止。
寺院の外に出ると夜が明けていました。
真っ白な八角堂の横を通り、出口に向かいます。
出口付近では新婚さんが写真撮影をしていました。撮影スポットのようで別のカップルが順番待ちをしています。
仏歯寺からトゥクトゥクでホテルへ帰り、屋上テラスで朝食。
朝食後、キャンディを後にして紅茶の里ヌワラエリアに向かいます。ランカさんと合流、所要時間は3時間弱です。
地球の歩き方より :
キャンディを出た列車はガンポラを過ぎると、緩やかな傾斜をあえぐように上っていく。車窓の景色は一変し、あたりは山また山。そしてその山々はすべて茶畑になっており、目をどこへ移しても茶の明るい緑一色になる。茶畑の合間合間には清流が筋を造り、ところどころで小さな滝となって流れ落ちる。窓から入ってくる風も涼やかで心地よい。スリランカの高原地帯はそんなさわやかさに包まれている。
ヌワラエリア手前にあるオーク・レイ・ホテル・ティブッシュ・ランボダの見晴台で休憩。
ここで栽培された紅茶、ティブッシュ・ランボダ。
ヌワラエリアでは茶工場でお茶作りの工程を見学することが出来ます。2ヵ所訪れる予定で、最初はラブ―ケリー・ティ・センター。
お茶は精製方法によってホワイトティ(白茶・弱発酵)、ブラックティ(紅茶・完全発酵)、ウーロンティ(青茶・半発酵)そしてグリーンティー(緑茶・不発酵)に分かれています。中でもホワイトティは小さな新芽のみが使われていて、超高級品です。 この工場ではホワイトティとブラックティのみを生産しています。
それでは工場の見学をさせて頂きます。
工程としては茶摘み後の乾燥から始まり、もみこみ、発酵、
そして最終乾燥を行い、選別をして梱包・出荷となります。
最後はティータイム。ブラックティの中で茶葉が大きいものはストレートティー向き、細かいものはミルクティ向きだそうです。茶葉の大きさによる品質の差はなく、全て高級品とのことでした。見学自体は無料ですが、紅茶の販売も行っています。
工場見学後、ヌワラエリアの街中へ向かいます。
ヌワラエリアは標1800mの高原地帯にあり、茶畑だけでなく、イギリス植民地時代から避暑地としても賑わって来ました。
郵便局、ヌワラエリアで一番古い建物です。レトロなポストが目を引きます。
街中の大衆食堂。入口の棚にワディやロティといった揚げ物が並んでいます。
カレーと一緒にナンが出て来ました。ここはインド系のレストランのようです。ランカさんによると、茶摘み作業はタミル人の女性の仕事で、ヌワラエリア周辺には多くのヒンドゥー教の人達が住んでいるとのことです。
2種類のカレー。辛そう!
ナンにカレーをかけて手でつまんで食べます。最後はミルクティ。
昼食後は、1885年創業のペドロ社という茶工場を見学します。ここは有料で、ツアー中はエプロンを着用、残念ながら工場内は撮影禁止です。工程は最初のラブ―ケリーと同じようなものですが、設備はこちらの方がよさげです。
見学後はティータイム、ブラックティとウーロンティが試飲出来ます。入れてくれるのは工場を案内してくれた目鼻立ちがすっきりしたお嬢さんです。
このペドロ社、日本のキリンに ”午後の紅茶” を供給しています。
工場の外にはペドロ社の茶畑が広がっています。
キャンディを出発してヌワラエリアを見学後、今夜の宿泊地であるハプタレーまで移動します。
地球の歩き方より :
ハプタレーは眺めのよい所として知られる山あいの町。これといった見どころがあるわけではないが、その雄大な山々の景色と新鮮な空気が魅力だ。(中略) ハプタレーに来たら、ぜひともこの紅茶を、山から湧き出た清水を使って入れてもらうといい。それはどんな高級なブレンドティーよりもおいしいものだということを知るだろう。
ヌワラエリアから2時間余り、山あいを走る道路に沿ってハプタレーの街があります。今夜のゲストハウスも傾斜地にへばりつくように建っていました。
ゲストハウスにはお酒がありません。今日はランカさんとの最後の夜でもあり、街中のホテルで乾杯をすることにしました。そのホテルまで200mほどですが、急な坂道を前かがみになって歩いて行きます。ここでは線路も立派な歩道です。
夕食は私達のゲストハウスで頂きます。ランカさんは別のゲストハウスに泊まっていますが、オーナーの計らいで一緒に頂くことに。
ライスとそうめんをベースとしたカレー、手で食べると、美味しさも格別です。
食後はゲストハウスのご家族とグーグル翻訳でタミル語を使っての団らん。穏やかな人達です。
朝5時過ぎ、突然大きな音が、ヒンドゥー教の礼拝の音が拡声器を通じて村中に流れて来ました。こんな早朝にうるさい? いえいえ、15分ほどですが、とても穏やかな気持ちになります。そして6時前、今度は汽車が警笛を鳴らしながらガタゴト、ガタゴトと通り過ぎて行きます。こちらも、うるさいというよりはノスタルジックな気分にさせてくれます。
谷底は朝靄につつまれ、爽やかな朝がやって来ました。
朝食はナンとクロワッサン、トースト、目玉焼き。
食後はハプタレーの清水を使った紅茶。
本日はハプタレーからウナワトゥナまで移動しますが、途中、宝石の産地ラトゥナプラに立ち寄ります。
地球の歩き方より :
宝石の産地として、スリランカは古来から世界に知れわたっていた。紀元前10世紀、ソロモン王はシバの女王にスリランカ産のルビーを贈って心を射止めたとされるし、アラビアン・ナイトの物語では、シンドバッドがここラトゥナプラを訪ねたという話が出てくる。13世紀、中国からの帰りにこの国に寄ったマルコ・ポーロも東方見聞録の中で、セイロン島の宝石がどんなにすばらしく、貴重なものであるかを記している。現代でもチャールズ皇太子が故ダイアナ妃に贈り、長男ウィリアム王子がキャサリン妃に贈った婚約指輪の、スリランカ産ブルーサファイアが有名だ。スリランカの歴史そのものであるかのような宝石。それらをたどっていった先に、ここ宝石の町ラトゥナプラがある。
2時間余りでラトゥナプラの採掘場に到着。採掘場のオーナーさんと落ち合い現場へ向かいます。
途中、緑色の毒蛇に出会ったりしましたが、300mほど奥まったところに採掘場がありました。
ところで、誰でも好きに掘れる訳ではありません。採掘権を取得する必要があります。当たれば大儲け、はずせば借金まみれ、の世界かも。
エンジンが大きな音をたてて、地下の坑道内に酸素を送り込んでいます。坑道に通じる縦穴の深さは15mくらいありそうです。
作業者が滑車を回して何かを引き上げています。重そう、重労働ですね。すると縦穴から袋が出て来ました。
すでに10袋ほどありますが、袋の紐をほどくことは御法度。今日はオーナーさんがいるので、特別に許可がおりました。袋の中は泥だらけ、この中に宝石の原石が!
オーナーさんが坑道に入るよう誘って来ました。縦穴は深くてドロドロ、滑り落ちそうです。何度も断ったのですが、ズボンまで用意してくれたので意を決してトライすることに。ズボンにはポケットがないので、残念ですがカメラは諦めました。
では、作業者に続いて下ります。落ちそうになった時にこの人がいるので心配ないと言うのですが、心配です。
無事に下りきりました。採掘場所には4名の作業者がいて、私が行くと大歓迎。お祭り騒ぎのようで、酒を飲む格好をして歌っています。まるで「酒が飲める、酒が飲める、酒が飲めるぞ」といった調子。とにかく明るい連中です。
一人が長さ1m20cmくらいの丸い鉄棒を持って来ました。その鉄棒の先端は片方が尖がっていて、もう一方は平たくなっています。尖がっている方で泥壁を突っついて崩し、平べったい方で土をかき出すそうです。私も鉄棒を使ってみましたが、泥壁が硬くて全くささりませんでした。重労働です。
ロープにしがみついて上がって行きます。
坑道にいたのは15分程でしたが、なかなか面白い体験でした。
最後に、ランカさんのアドバイスもあり、お礼として3000ルピー(約2000円)を作業員のまとめ役である番頭さんに渡しました。番頭さんがこのお金で酒を買って来て、作業者8名にお酒を振る舞うそうです。坑道内でのあの騒ぎはまさしく、酒が飲めるぞ、状態だったのです。
採掘場からラトゥナプラ市街に向かう途中のレストランでビュッフェスタイルのランチ。
綺麗なレストランでカレーの種類も豊富です。飲み物はマンゴージュースと赤い方がパパイヤジュース。
ラトゥナプラの市内には宝石を扱う大小の宝石店が軒を連ねています。が、本日は日曜でお休み。代わりに怪しげな個人商がうろついています。
その個人商がサファイヤを売りつけて来ました。無視するとどんどん値下げ、本物でないことは明らかです。次は原石、石くずですが、記念に買うことに。現金を見せた瞬間、周りにいた10人くらいのおっちゃん達にこれもこれもと言って取り囲まれてしまいました。大パニック! なんとか車に逃げ込んで事なきを得ましたが、軽率でした。
ラトゥナプラを後にして、車チャーターの最終地であるウナワトゥナに向かいます。
スリランカ編第3章ではウナワトゥナのビーチや世界遺産ゴール、ホエールウオッチング、そしてスリランカ最大の都市コロンボを紹介します。