パリ <オランジェリーに心惹かれて>
ベルギーの首都ブリュッセルと水の都ブルージュを観光した後、フランスのパリを訪れます。 (2013年8月)
ブリュッセルからは300km程で、高速鉄道TGVを使えばパリの北駅まで1時間30分程です。
パリの世界遺産は、セーヌ川のシュリー橋からイエナ橋にかけての両岸一帯が「パリのセーヌ河岸」として登録されています。つまりノートルダム寺院からエッフェル塔周辺の建造物や公園など、そのほどんどが世界遺産ですね。
私達のホテルはエッフェル塔の近くで、2泊3日の日程です。
TGVでパリの北駅に到着
北駅からメトロでホテルに移動します。
ホテルにチェックイン後、再びメトロでコンコルド広場にやって来ました。
コンコルド広場のシンボルであるオベリスク。19世紀にエジプトのルクソール神殿から運ばれて来ました。
オランジェリー美術館(写真はorangerie museum 画像検索結果より)
コンコルド広場をチュイルリー庭園沿いにセーヌ川に向かって歩くと左手にあります。印象派の巨匠クロード・モネの大作「睡蓮」が展示されています。
45年前には観光客もまばらで、パリの街を歩き疲れた私は一人長椅子に横たわって巨大な絵を眺めていました。その美術館は2000年から6年間に渡って改装が行われましたが、新しくなってからは初めて。パリへ行こうと決めた時、最初に思い浮かべたのはこのオランジェリー美術館でした。
残念ながら、私達が訪れた時には「睡蓮」の間は写真撮影禁止になっていました。そこで ”orangerie museum 画像検索結果” に掲載されている写真をお借りしました。
その後、撮影可になったようです。
(orangerie museum 画像検索結果より)
「睡蓮」は8点あり、楕円形のホール2部屋に展示されています。大きさは縦2m、横幅は6mのものから17mのものまであります。
(orangerie museum 画像検索結果より)
「2本の柳」が最も大きくて幅17mです。
(orangerie museum 画像検索結果より)
(orangerie museum 画像検索結果より)
(orangerie museum 画像検索結果より)
(orangerie museum 画像検索結果より)
(orangerie museum 画像検索結果より)
東京の国立西洋美術館所蔵のモネの「睡蓮」です。本物は写真撮影禁止のため、これは土産用に販売されているものです。実際の大きさは2メートル四方もあり見応え十分!
オランジェリー美術館には、モネの「睡蓮」以外にも、ルノワールやセザンヌ、ピカソといった巨匠たちの名画が数多く展示されています。こちらは撮影可でした。
セーヌ川の対岸にオルセー美術館があります。オランジェリー美術館から橋を渡って行きます。
サンゴール橋。無数の鍵が掛かっています。愛の南京錠です。恋人たちが互いの名前を書いて橋の欄干に取り付け、鍵をセーヌ川に投げ入れると二人の愛は永遠になるそうです。元祖はルーブル美術館近くのポンテザール橋でしたが、余りにも多くなり過ぎたため禁止されたそうです。
私達も? と思いましたが、還暦を過ぎての鍵は天国へ誘うものかもしれません。川に捨てるなどもってのほかですね。
橋を渡って川辺に下りてみました。
結構大きな広場になっています。
広場にはゲームのようなものがいくつも書かれていました。
子供達もゲームに興じています。
オルセー美術館にやって来ました。
動物のオブジェ
オルセー美術館に入った所です。館内は撮影禁止になっていましたので、以前に撮った写真をご紹介します。
何故かこの絵(ルノアール)が好きです。
ホテルまで帰って一休みした後、近くのレストランで軽めの夕食です。夜の8時30分ですが、この明るさ。
9時30分、やっと暗くなりました。エッフェル塔がライトアップされています。
今日は朝一でエッフェル塔に登ります。
9時に到着。すでに列が出来ていました。でも、それほど長くはありません。
チケット売り場、9時30分オープンです。
エレベータのチケットをゲット。
早く来たおかげで30分弱で登ることが出来ました。
眼下にセーヌ川が流れています。
目の前にシャイヨー宮があります。エッフェル塔が最も美しく見えることでエッフェル塔の撮影ポイントになっています。
エッフェル塔の設計者エッフェル氏。蝋人形です。最上階の小部屋にあります。
エッフェルと会談するエジソン
エッフェルの部屋に何故か日本語の賞状がありました。
大正天皇からエッフェル氏に勲章を授与したものです。神武天皇即位の年を紀元として2577年が大正6年(1917年)となっています。神武天皇即位は西暦で紀元前660年とされていますので、辻褄は合っています。とすれば令和元年は神武紀元2679年となりますね。
シャンドマルス公園
公園の向こうにモンパルナス・タワーが見えます。高さ210mで、完成後パリの景観を損ねるとして不評をかいました。その後、パリ中心部では建物の高さは31m以下に定められました。おかげエッフェル塔から美しいパリの街並みが今もって一望出来るわけです。ところでパリが一番美しく見えるのはモンパルナス・タワーからだそうです。なぜならモンパルナス・タワーが見えないから。辛めのジョークですね。
エッフェル塔の最上階にあるシャンパンバー。オープンは12時から、残念ながら午前中のため閉まっていました。
エッフェル塔最上階で高さ280m地点です。
日本の方角。東京タワー333m、エッフェル塔は324mです。
エッフェル塔はパリ万国博覧会の目玉として1889年に完成。東京タワーは1958年に完成。
エレベータの仕組みが書かれているようです。
これから下りて行きます。
エッフェル塔の鉄塔は錬鉄で出来ています。60年後に出来た東京タワーは鋼鉄です。錬鉄は鋼鉄に比べて柔らかいため、強度を確保するためにこのような複雑な構造にせざるを得なかったのでしょうね。
その複雑さが何とも言えぬ味わいとなり、いつまで経っても世界中の人々を惹き付けてやみません。
シャイヨー宮が近くなって来ました。
エレベータの駆動輪、古っ! 130年前、明治時代のものです。もちろん今も現役。
一番下の第1展望台。エッフェル塔には展望台が3ヵ所あります。第1展望台の高さは58m、第2は116m、第3は276mとなっています。参考までに東京タワーはメインデッキが150m、トップデッキが250mです。
むこうにモンマルトルの丘(標高130m)が見渡せます。
第1展望台から歩いて下ります。
鉄塔の味わい深さが伝わって来ます。
11時頃です。既に長い行列が出来ていました。
エッフェル塔からメトロで凱旋門へ向かいます。参考までにメトロにはカルネという10枚綴りの切符があります。2人で行動する場合や数日滞在する場合には便利ですのでお勧めです。駅の窓口でカルネと言えば簡単に購入出来ます。値段は14.9€、1枚だけだと1.9€なので、効率よく使えばお得感もあります。
メトロを出た所で、チカちゃんが写真を撮っています。
壁に施された彫刻が見事です。
女性の足元に「第一次世界大戦休戦記念日」のプレートがあります。
凱旋門真下の「無名戦士の墓」。第一次世界大戦で戦死した150万人以上の兵士を代表して1人の無名の戦士が埋葬されています。この火が途絶えることはありません。
凱旋門からシャンゼリゼ通りへと続きます。その先には、コンコルド広場、チュイルリー庭園、そしてルーブル美術館があり、一直線に配置されています。
シャンゼリゼを散歩しながらノートルダム寺院へ向かいます。参考までにシャンゼリゼ通りはわずかに傾斜していますので、凱旋門からコンコルド広場に向かって歩くと少しは楽です。
カフェオレで小休止もいいですね。
シャンゼリゼ通りからそれて、高級ブランドショップが並ぶサントノーレ通りに出ます。
日本大使公邸
エリゼ宮殿、フランスの大統領官邸になっています。
ヴァンドーム広場が見えます。ここからは見えませんが、その左手にホテル・リッツ・パリがあります。ダイアナ妃が事故で無くなる前に泊まった最後のホテルです。
ヴァンドーム広場を背にして歩くと、ほどなくチュイルリー庭園に出ます。
この通りには土産物屋さんが並んでいます。
歩き疲れましたので、チュイルリー庭園前からメトロでノートルダム大聖堂へ行きます。
ノートルダム大聖堂 |
上空からの写真(google map ) 屋根は十字架の形になっています。この屋根が2019年4月15日に火災で崩落してしまいました。
大聖堂の正面に観覧席がありました。以前にはなかったのですが、大聖堂の850周年を記念して最近設置されたようです。
中に入ります。
美しいバラ窓のステンドグラス、火災で焼失してしまいました。
大聖堂の入口は西側にありますが、これから東側に回ります。
大聖堂の壁には怪物の形をした彫刻が多数取り付けられています。ガーゴイルです。
ガーゴイルは元々は雨樋の意味で建物を雨水から守るためのものです。このように突き出た格好をしているのは、雨水を壁から遠くへ吐き出すためです。また雨水と一緒に悪霊も吐き出すと考えられており、やがて魔除けとして使われるようになりました。
大聖堂の東側です。教会は基本的に陽の昇る方角に向かって建てられています。西から入り奥に進めば東に祭壇があります。ということは、祭壇近くのステンドグラスは午前中が朝陽を受けてより美しく見えるということになりますね。
西側の喧騒がウソのように、ゆったりとしています。
ノートルダム大聖堂を後にしてホテルへ帰ります。
窓辺にゼラニューム。ヨーロッパではよく見る光景です。ゼラニュームには蚊などの虫よけ効果がありますので一石二鳥ですね。
土産物屋さん、ガーゴイルがあります。
天使の置物も
ポンテザール橋にやって来ました。
寸分の余地もないほど鍵がかかっています。元祖「愛の南京錠」です。
ホテルで一休みした後、レストラン「ポムズ」で夕食。2013年6月にTVの人気番組 ”世界ふしぎ発見”でも紹介されたお店です。店名のポムpommeはリンゴの意味で、名前の通りポムズでは全ての料理にリンゴを使っています。
ところで、愛媛にポンジュースという有名なオレンジジュースがありますが、このポンはミカンの意味でしょうか? 調べてみると、当時の愛媛県知事だった久松定武氏が日本一のジュースになるようにと日本の本(ポン)から名付けたそうです。ミカンではありませんでした。でも、オランダ語に柑橘類という意味があります。ポン酢がそうですね。江戸時代にオランダから伝わって来たそうです。どうでもいい、ポムとポンでした。
パリ最後の夜に ピノノワールで乾杯!
パリにお別れです。もう来ることはないでしょうね!
さて、ベルギーとフランスに続くリタイア後の旅は憧れのハワイです。