ダンブッラ石窟寺院:地球の歩き方より
岩山の頂上付近にあった天然の洞窟に、極彩色の壁画が描かれ、大変な数の仏像が彫られているのを見ると、神聖な思いを抱かずにはいられない。数々の仏教説話を描いた壁画のなかには、シンハラ人とタミル人の戦争を描いたものもある。現在も問題となっているこの争いが、太古の昔から続けられてきたものだとあらためて実感させられ、複雑な思いにもさせられる。現在もユネスコによって石窟の修復が続けられてはいるが、訪れる人々が仏像に向かって真剣にお祈りをしている姿が見られる。2000年以上もの間、積み重ねられてきた彼らの祈りが、この石窟寺院にさらなる厳正さを与えている。文化三角地帯でも必見の地だ。
クルネガラからダンブッラ石窟寺院に向かいます。ダンブッラは紀元前1世紀に高さ150mの岩山の中腹に造られたスリランカ最大の石窟寺院です。1991年に世界文化遺産に登録されました。
ダンブッラ入口にある黄金寺院が見えて来ました。
黄金の仏像です。今日は岩山の石窟寺院へ向かうためここは素通りします。
ダンブッラ石窟寺院へのチケット売り場に向かいます。
チケット購入 。1人1500Rs(1000円)。ドライバーのランカさんも石窟寺院まで案内してくれますが、チケットは不要です。
チケット売り場の横にある階段から登りますが、 車で中腹まで行ける道が別にありますので、我々はそちらのルートを選択します。元気な人は是非歩いて上りましょう。
中腹にある入口です。扉は締まっていますが、左側から入れます。
犬がいました。この道を行くと、やがて本道に合流します。
それ程急な坂ではありません。
どんどん歩いていきます。
入口が見えてきました。
靴を預けます。裸足だとかなり熱いので、靴下を履きます。
石に文字が書かれています。石本です。
岩山の中に5つの石窟があり、第1窟から第5窟まで手前から古い順に並んでいます。
足を清める場所のようですが、誰も使っていません。
第1窟です。
仏陀(お釈迦様)の涅槃像
全長14mあります。
足の指が左右不揃いです。これは仏陀が亡くなっていることを表しています。
全身黄金で塗られていますが、足の裏は赤くなっています。
菩提樹の葉を半分に折ってみると、ダーガバ(パゴダとかストゥーパとも称される仏塔)の形に似ています。他にお米の形をしたダーガバもあるそうです。
2窟から4窟を結ぶ廊下
第2窟、洞内の大きさは幅52m、奥行き25m、高さ6mで、5窟の中で最大です。左奥に小さなダーガバが見えます。菩提樹の葉に似ていますね。
洞内には56体の仏像が安置されています。
仏陀の涅槃像もあります。足の指が左右そろっています。こちらは眠っている姿です。
天井に水が滲み出しています。
滲み出た水が壺に滴り落ちています。この水は枯れることがないそうです。ダンブッラとは「水の湧き出る岩」という意味で、ダンブッラの名前の由来になっています。
天井に描かれた壁画です。
仏陀の生涯が天井一面に描かれています。
洞内のダーガバ
壁に描かれた壁画
これから第3窟に入ります。
仏陀の涅槃像
仏陀の座像
第3窟には合計57体の座像が所狭しと並んでいます。
壁画も見事です。
これから第4窟に移動します。この出入口はひときわ大きく、象が出入りすることが出来るようになっています。
第4窟にはコウモリ撃退用の超音波器が取り付けられていました。
第4窟を出ると、石窟内に雨水が滲み込まないようにするための屋根がありました。
簡単に言っちゃいましたが、この屋根はかなり複雑な構造になっているそうです。
第5窟の入口です。
小さな洞窟に涅槃像が置かれています。
手のひらも赤く描かれています。
両足の指が揃っています。寝ている姿ですね。
第5窟を出たところで記念撮影
ところで何故、このような岩山の上の洞窟に寺院を設けたのでしょう。
”マーちゃんの昔話”
むかーしむかーしその昔、インド洋に浮かぶ小さな島のアヌラーダプラというところにシンハラ王朝がありました。紀元前1世紀頃、南インドからの侵入者によって都を追われたアバヤ王はダンプッラまで落ちのびて行きます。ダンブッラには岩山があり、その岩山には数十もの洞窟がありました。隠れるには絶好の場所です。そこで仏教僧に助けられて岩山の洞窟に身を潜めます。苦節15年、王はインド人から都を奪い返します。仏教僧たちのおかげで再び王の座に就いたアバヤ王は感謝の印としてこの洞窟に仏教寺院を建立しました。
大きな岩に今にも押しつぶされそうです。
欧米からも大勢の観光客が訪れていました。
これから下山します。
おさるさんも至る所にいます。
遠くにシギリヤロックが望めます。
入口にあった黄金の仏像の頭が見えます。
登山のあとはココナッツジュースが最高!ということで、道端にある果物屋さんに立ち寄りました。
黄色が特徴のキングココナッツです。スリランカ原産で、普通のココナッツより甘めでジュース用に向いています。
ココナッツジュース、80Rs(55円)です。どこでもだいたいこのレベルの値段。
ジュースを飲んだ後、中身の果肉を頂きます。
ココナッツの殻をスプーン代わりにして食べます。
味は? ウーン! 癖のない味です。栄養満点。
さあ、今夜の宿泊地であるアヌラーダブラに向かいます。ダンブッラから約2時間のドライブです。